フィンカーとはCipla社が製造している医薬品で、MERK SHARP &DOHME社が製造しているプロスカーのジェネリックとして位置づけられている製品ですが、フィンカーには具体的にはどのような特徴があるのでしょうか。
フィンカーは内服タイプの医薬品であり、服用すると有効成分であるフィナステリドの5α還元酵素阻害作用によって、肥大化した前立腺を縮小させる効果と、AGA(男性型脱毛症)の症状の進行を遅延させる効果が得られます。5α還元酵素は男性ホルモンの一種であるテストステロンと結合して、別の男性ホルモンであるDHT(ジヒドロテストステロン)を生成します。このDHTは、前立腺に作用することによって前立腺を肥大化させ、毛乳頭内の受容体と結合すると毛母細胞の働きを弱めて髪を抜けやすくさせます。これらが進行すると、やがて前立腺肥大症やAGAの発症に至ります。
前立腺肥大症の患者とAGAの患者に5α還元酵素阻害薬を投与すると、テストステロンと5α還元酵素が結合されにくくなり、DHTの産生が抑制されます。長期間連日服用することで、肥大化した前立腺は徐々に小さくなっていき、AGAの進行も少しずつ抑えられていきます。フィンカーを服用する際に注意しなければならないのは用量です。フィンカーの錠剤にはフィナステリドが5.0mg含有されています。これは前立腺肥大症の治療が目的であれば十分な量ですが、AGAの治療が目的であれば多すぎる量です。AGAの治療が目的の場合の服用量の限度は1日1.0mgです。AGA患者がフィンカーを服用する場合は、ピルカッターを使って錠剤を丁寧に4~5等分して服用しましょう。
フィンカーとプロスカーの大きな違いは値段であり、これが口コミで評判となっている理由の一つにもなっています。プロスカーの価格は1ヶ月分(28錠分1箱)で3,800~7,000円程度が相場となっているのに対し、フィンカーの1ヶ月分(30錠分1箱)の価格は2,100~3,500円程度が相場となっています。
フィンカーは日本国内で製造・販売されている5α還元酵素阻害薬より強力であるだけでなく、販売価格も手頃で手に入れやすいです。しかし、日本では未認可の医薬品であるため、入手方法は個人輸入のみに限定されます。作用が強力である医薬品の多くは副作用が発症する可能性も高く、フィンカーも例外ではありません。フィンカーを個人輸入する場合は、個人輸入により生じるリスクを負いきれるかどうかを十分に検討した上で行うようにしましょう。